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ホクレア号日本人クルー・荒木汰久治さんインタビュー

ホクレア号日本人クルー

ホクレア号には、内野加奈子さんと荒木汰久治さんという日本人クルーが2名乗っていらっしゃったのですが、今回は荒木さんからお話を伺うことが出来ました。

001-011さて、ホクレア号の航海にまつわるドラマは、航海ブログを読んでいただくとして、ここでは、ホクレア号に乗船していたクルーたちの姿から私が学んだことをシェアさせていただきたいと思います。まずは、日本人クルーの荒木汰久治さん。ホクレア号には、内野加奈子さんと荒木汰久治さんという日本人クルーが2名乗っていらっしゃったのですが、今回は荒木さんからお話を伺うことが出来ました。 

荒木さんは、プロのオーシャン・アスリートです。ハワイで毎年行われるモロカイレースに出場したり、国内外のパドルボードやカヌーなどのレースに挑戦。99年にはアウトリガーカヌークラブジャパンを設立し、カヌーを通じてハワイの海の文化を日本に伝える活動を開始。

2005年7月には、沖縄から愛知県にて行われていた万博までの約2000kmを、スターナビゲーションによる航海にて実現。それも、6名ほどしか乗れない小さな沖縄の伝統的小型漁船“サバニ” をホクレアに習って組み合わせた「海人丸」による航海です! 

001-001では、荒木さんって冒険家なの?そう思う人もいるでしょう。しかし、彼は単なる冒険家なんかではありません。自然との共存、伝統文化の継承、子供たちの育成、人間として大切なことを伝えていこうとしているメッセンジャーなのです。 

荒木さんにとって今回の航海中にもっとも印象的だったことは、水平線の向こうから島が見えてきたときのこと。なによりも衝撃的な瞬間だったそうです。でも、航海とは、島を見つけることが目的なのではない、彼はそう言います。「島を見つけるために海を渡るわけなんだけれど、そのために準備をすることのほうが何倍も時間がかかって大変なんです。だから、島を見つけたときの瞬間は、言葉にするのであれば達成感」

001-016一生懸命に言葉を選んで語る荒木さんだが、その感動は、とても言葉では表せないと言う。それは、言うなれば自分という存在を再確認した瞬間。自分の生まれた地にはどういう人の魂が流れているのか、自分の祖先はどんな時代を生き延びてきたのか、また、いかに自分がちっぽけな人生を送っているのかを感じたのだそう。そして、これから先死ぬまでの間に、自分には何ができるのか、そして死んだあとに自分は何ができるのか、そんなことまで考えたという。 航海前と後では、人生観は変わりましたか? 

001-018そうたずねると、まったく変わりました、と荒木さん。「自分が何を得るのかではなく、自分が得たものをどうシェアできるのか。何を得るのかではなく、何をシェアできるのか、そう考えるようになりました。そして、思いやるということ。思いやりって、人に対する言葉かもしれないけれど、それだけじゃなくて、物に対する思いやり、土地に対する思いやりなども持つようになりました」

 

001-013穏やかな口調でこう語ってくれる荒木さんは、とても厳しい航海を乗り越えた人とは思えないほどのゆるやかな雰囲気を持った人。しかし、ホクレア号のクルーになるためには、大変な訓練を経てきているはず。現に、荒木さんは9年間のトレーニングを受けてきたという。そして、今回の日本航海のクルーに選ばれたのは3~4年前のこと。2007年1月のオアフ島からハワイ島への航海にクルーとして乗り込み、その後は日本で待機していた。 ところが、ナイノア氏からかかってくるはずの電話が、なかなかかかってこない。そのとき荒木さんが取った行動とは……。 「僕が乗らなかったら、このホクレア号の本質が日本で伝わらないって思っていたので、ホクレア号のスケジュールを調べて、ヤップ島のパラオに自分で行ったんです。そこに行かなくてはいけない何かを感じていたから」  

001-006 001-020このすごい行動力には驚いたとともに、それだけの情熱と信念を持てるということに、荒木さんという人間の持つ強さというものを私は感じました。しかし、重圧と恐怖も感じた、と自分の中の弱さも正直に語れる荒木さんでもあります。 「伴走船がついているといっても、戻って来られるかわからない危険な航海です。思わず怖くなって、自分の先祖のところにお墓参りに行ったんです。なぜかそこを離れられなくなって、気がついたときにはお墓を自分で掘り起こして、じいちゃんの骨を借りてきていました。それをきんちゃく袋に入れて首から下げて、パラオに行ったんです」 

パラオに行って、ナイノアさんは驚いていませんでしたか?という私の質問に、「びっくりしていましたよ。でも笑っていました」と笑顔で答える荒木さん。僕の経験したことを多くの人に伝えたい、そう語る彼の真摯な姿は、多くの人を魅了することでしょう。大きなことを達成した人特有の、「オレはやったぜ」みたいなパワー、荒木さんからはそういうものは一切感じられず、逆に、とても静かで優しいエネルギーを感じたのが私にとっては意外でした。人を惹きつけるのは、決して、「オレに自信あり」みたいなオーラとか輝きではないんですよね。どんなに注目されても、どんなに有名になっても、常にオープンハートで飾らない荒木さんでいてくれるだろう、と私は思うのです。

 荒木汰久治さんプロフィール
1974年熊本生まれ。プロ・オーシャン・アスリート。 大学時代にライフセービングを始め、96年全日本ライフセービング選手権で優勝。現在までに3連覇を含む4回の優勝など世界に通用する日本のトップ・ライフセーバー。大学卒業後はモロカイレースを中心に国内外のアウトリガーカヌーのレースに挑戦。99年にはアウトリガーカヌークラブジャパンを設立し、カヌーを通じてハワイの海の文化を日本に伝える活動を開始。海人丸による航海プロジェクトを遂行中。http://www.arakitakuji.com/写真提供:生島裕

取材・文 アロヒナニ 
アロヒナニプロフィール 
ハワイ文化講師、カードセラピスト、フリーライター 
ハワイ留学をきっかけにハワイ文化に魅せられ、フラ歴は 15 年を超える。
日本におけるマナ・カード・リーディングの第一人者であり、各プロバイダーにて配信されている「マナ・カード・ネット占い」の監修をしている。また、マナ・カードや他のツールを使った個人セッションを行っている。現在、フラやマナ・カードを教える講師として、ハワイ文化を広めるため活動中。全国でワークショップを展開中。http://alohinani.com 
写真提供 荒木氏写真:生島裕 その他写真:starsky
協力 ㈱ナチュラルスピリット

 

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